私の味噌づくり

今月のオンライン料理サロンでは基本のお味噌汁についてもご紹介しました。

今回は手軽にだしを取ることと、味噌の種類についてお話もしました。

受講者の皆さんのおいしそうなお味噌汁の出来上がり!

そして味噌をご自分で作られている方もいらっしゃいました。

味噌づくりは決して難しいことではありません。

今日は私の味噌づくりのお話をしたいと思います。

お味噌を作る人の参考になれば嬉しいです。


私の味噌づくりのきっかけは家族に美味しい味噌汁を食べてもらいたかったからです。私はすぐ商品裏の成分表を見ます。味噌の裏も色々見て、いろいろ買ってもみたけれど、これなら自分で作れないかしらと思ったのでした。

麹は生麹が欲しくてネットで探して現在は遠野にある麹屋さんから毎年購入しています。そこの麹屋さんでは地元の味噌用大豆も扱っていて、もうずいぶんと前から一緒にお願いしています。

後必要な材料は塩。これは近所のスーパーで初めは沖縄の塩を買っていましたが、取り扱いがなくなり、現在は食べておいしいと思えた粗塩を使っています。

毎年1月末から2月にかけて大寒の前後で仕込みます。この寒仕込みには訳があるといつも感じます。

丁度前年秋に取れた大豆が乾燥して新物が出回る事や仕込んだ時に寒いと麹が活発に発酵するまで時間がかかり、その時間がしっかりと味噌のうまさを育ててくれからです。

麹菌が活動し始めるなぁと感じるのは5月の連休くらいから。

気温にすると20度を超えるくらいからです。もちろんこの時期に何をするではないのですが、なんか麹たちのおしゃべりが聞こえるような気がします。この3ヶ月くらいの低温熟成が私は味噌にとって必要なのだと思います。

もちろん一年中いつでも味噌を仕込むことはできます。もし仕込み上がりの時に気温が20度を超えていたら冷蔵庫で最低でも1~2か月は置いて低温熟成させます。そのあと室温に出せば一気に発酵が進みます。

仕事の関係で夏に仕込んだこともありましたが、やはりおいしさは冬の仕込みのものが味が良く、管理が楽です。


大豆と麹の分量は同じ重さ。麹の半量の塩が必要です。

大豆1Kg、生麹1㎏、塩500gという事。とってもシンプルでしょ。

この割合で塩分12.5%、約4㎏の味噌が出来上がります。

面白いサイトを見つけたので参考まで。

https://www.nannichi.co.jp/hpgen/HPB/entries/10.html


毎年大寒の前後に仕込むのですが、東京でも水道の水は冷たい!豆をこすり合わせて水が濁らなくなるまで水を変えながら洗います。この時泡が立つのですが、これは大豆に含まれるサポニンの影響。洗った大豆はボウルなどに入れて大豆の高さの4倍くらいの水を入れます。この時水が少ないと翌朝大豆が水から顔を出していることがあり、しっかりともどらないので注意して下さい。また大豆は倍以上に膨らむのでボウルに目いっぱい入れないように。これ以外と大切なところです。さらに浸水の時間ですが、寒い時期には最低でも12時間は必要です。寝る前に浸水して翌朝作業となると少し時間が足りないこともあります。

でもあまり長い時間水に浸けると芽が出始めてえぐみが出るそうです。豆がしっかり膨らんで皮に凹みやしわが無くなるまで水に浸けておきます。水の温度によっても左右されます。私の場合は夜豆を洗って大きな密閉容器に豆と水を入れたら翌朝起きたらすぐに様子を見て、作業開始の時間を決めます。ただこれも量が多いと一度に火入れができません。大豆は水から上げても多少ですが膨らみ続け最後の方は戻し過ぎという事がないように後で火入れをする豆は涼しいところに移動したりもします。

 次は大豆を柔らかくしなくてはいけません。鍋で煮ることもできますが、断然短い時間で柔らかくなる圧力鍋に私は頼ります。ただ圧力鍋で煮ると大豆の皮が浮いてきて圧力鍋の空気の出る穴に詰まることがあることを聞き、私は圧力鍋に付属のザルに豆を入れ、下に水を張って蒸し上げます。

蒸し上がった豆は茹で湯に浸っていないせいでしょうか、本当に甘い。今年の豆の味見と言いながらポイポイと口に運びます。この時圧力鍋に残った湯は種水として取りおきます。






 この柔らかくなった大豆をつぶすのですが、量が少ない時はフードプロセッサー、量が増えてからはキッチンエイドの挽肉器を利用しています。

機械でできるところは大いに頼ってしまいます。

 生麹と塩は塊をほぐすようにもみほぐしなら合わせ、塩きり麹を用意。この中に挽いた大豆を加えます。生麹をすぐに使わない時には塩きり麹にすると保存性が高まるそうです。私は仕込み日に合わせて麹が届くようお願いしているので塩きり麹にして取っておくという事はしたことがありませんが覚えておくと良いかもしれません。

さて、この塩きり麹の中に60℃を超えるような熱さの豆を加えると麹菌たちが悲鳴を上げるのでお風呂の湯加減くらいになったつぶした豆を入れていきます。この時に取り置いた種水も加え扱いやすい硬さにします。大豆1㎏は水にふやかして蒸し上がると2㎏強、麹1㎏、塩500gを加え、出来上がりが約4㎏になるように種水を足して混ぜ合わせます。

 さあ、後は瓶に詰めていきましょう。この時なるべく空気を逃がすようにしてカビの発生をおさえます。洗ってアイロンをかけたきれいなフキンの上に伏せて乾かした瓶は焼酎を吹きかけて消毒。(焼酎(ホワイトリカー)は100均のスプレーボトルに入れておくと便利です。)混ぜ合わせたものを野球のボールくらいに丸めて瓶に詰めます。この時、瓶に打ち付けるようにして空気を抜きながら瓶の隅までしっかり行き渡るようにします。また丸めた味噌玉は冷えると麹が水分を吸って硬くなるのでほんのり温かく柔らかいうちに作業をするのが楽です。

 私は陶製の瓶を使っていますが、瓶は周りがすとんとした形のものが発酵も均等になり、むいています。瓶の数が足りなくなるとホーロー容器を使う事もありますが、陶製の瓶は室温の変化の影響も受けにくく毎年満足のいく仕上がりになります。

 瓶の7~8分目まで入れたら表面に焼酎を吹きかけラップをきれいに貼り付けます。製菓用のカードを利用してラップを少し味噌の端に埋め込むような感じです。上に軽い重石をのせ蓋をしたら埃が入らないように全体をラップで覆って作業完了。


 

混ぜたての味噌は塩辛いだけで美味しいものではありませんが9月くらいの天地返しの頃には味噌らしい香りになってきます。まさに時間が作ってくれるのです。この9月の天地返しというのも人によってまちまち。普通は梅雨から夏にかけて行うそうです。瓶の中の上下を変えることで発酵を均一にさせる作業ですが、9月まで置く私は少し放任主義かもしれません。10、11月くらいから食べ始めるのでその1~2か月前に全体を合わせれば十分と私は考えています。できれば上下だけでなく違う瓶とも混ぜてなるべく全体が同じ味に出来上がるようにします。薄っすらホコリがかぶったラップを取り除き、蓋を開けると上に味噌だまりと呼ばれる醤油のような液体が溜まっていることもあります。この液体は天地返しで味噌と混ぜ込んでしまいます。空気がふれてしまったところに黒や白いカビが生えていることも。そんな時は慌てず、そっとその部分をスプーンやヘラで取り除けばよいのです。これらのカビは瓶をしっかりきれいにして、瓶の口の周りに味噌を付けないよう詰め込んで空気に触れないように味噌にラップを張り、焼酎を噴けばほとんど発生しません。大きな密閉容器に天地返しをしながら入れた味噌は冷蔵庫で保存します。ほぼ味も出来上がっているのであまり熟成が進まないようにするわけです。その年の出来立てが好きという人も、翌年まで寝かせた方が好きという人も味噌は好みが分かれます。もちろんこのようにして作った味噌は麹菌が生きていますので発酵は温度が高ければかなり進みますし、冷蔵庫などに入れておけばゆっくりと発酵が続きます。時間が経てば味噌の色も濃くなります。小分けをして使いますが、瓶や密閉容器に残った味噌は量に合わせて容器も小さくすることをお勧めします。

味噌は昔の人の知恵であり私たちに欠かせない調味料です。

今回の料理サロンでは煮干し出しの良さを再認識してくださった方も多く、感激しています。来年の大寒の頃には500gの味噌づくりから始めてみてはいかがでしょう。その成長の変化はかわいく、そしておいしいのが何よりです。





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